絶対に屈さない!
遂に明日はあの男と対峙することになる。
ただ闇雲に会いにいっても向こうの言いなりになって終わりだから、当然こちらも作戦を考えた。
その結果、学生時代からの友人に相談して助っ人してもらうことになった。
元不倫相手から脅されているなんて相談は普通ならできない。
不貞行為をしていたこと自体ひとには知られたくないし、その結果トラブルになってるなんていくらなんでも恥ずかしすぎる…。
その友人は年に数回連絡を取り合う程度の関係だけど、昔から私のことを気にかけてくれていて、何か困ったときに助けてくれる存在なのでとても信頼している。
見た目でいうとキングオブコントで優勝したお笑いコンビ「空気階段」の太ってるほう、もぐらさんのような風体で恋愛対象になることは1ミリもないような対象…なんて言い方したらもぐらさんに失礼だけど。。
だからその分友人としても付き合いやすいし、学生時代からの友人でいまだに交流があるのは彼くらいのもの。
それで法律関係の仕事をしているため、今回の件が脅迫になるのか等の法律的な相談するつもりだったけど、正直に身に起こっている状況を伝えたところ指南だけでなく協力してくれることになった。
とにかく正義感が強くて秘密も厳守してくれるだろうから相談してみてよかった。
友人の指南により決まった段取りはこう…。
画像をネタに会うことを要求しているわけだから「脅迫罪」に抵触しうるため、脅迫を受けていることを証明できるよう「証拠」を取っておくことになった。
LINEでのやりとりは残ってるけど、脅迫となるようなことを明言していないので証拠としては弱いと。
なので、実際に会って脅迫と断定できるなような会話を引き出すことにした。
その証拠が結果としてあの男の抑止になるのかはわからないけど…友人曰くこの程度の要求を警察沙汰になってまで捨て身でやる人間はいないと。
離婚で家族を失うことで自暴自棄になる男性は少なくないそうです、一時的な気の迷いで起こしてる行動だろうから、逆に自分がまずいことをしていて、まずい状況に立たされているということを思い知らせれば大丈夫だと。
本当にそうなのかわからないけど私一人では為す術もないから、リスクも覚悟したうえで友人のアドバイス通りに進めることにした。
会う場所は自宅から1時間ほど離れたホテルのラウンジに決まった。
向こうは「ラブホじゃないの?」と最初は渋ったが一応ホテルということで納得してくれた。
会話の録音はスマホの録音機能を使う。
友人は私たちの会話が聞こえるよう近くの席に座り、念のため彼にも会話を録音しておいてもらう。
ホテルのラウンジなら近くに人がいても不信には思われないはず。
ラウンジで待ち合わせて、あの男(店長)が部屋に行こうとしたらそれを拒否。
拒否したらきっと写真を理由に脅してくるはず。
それを録音してしまえば立派な証拠になる。
そのタイミングで友人の方から『脅迫罪』に抵触していて、こちらが被害届を出せば逮捕されることを話してもらう。
くわえて携帯から問題の画像を削除することも要求。
そして最終的にはこの関係を終わらせるようお願いする。
問題はこの時に逆上しないかどうかだけど…うまくいくことを信じ勇気を出してやるしかない。
あの男との「関係」を完全に断つため。
明日に備えます。