嫌味、そして侮辱…
その前に現在のマナミのことを少しお話してみたいと思います。
まず彼女の容姿については、一言でいうと美人。私と違ってスタイルも良く、同じ女性から見ても色気がある。
イメージ的には、何となくだけど「社長秘書」が似合うタイプといえばいいのかな。
その容姿を活かして、学生時代や20代前半くらいまでは夜の世界（いわゆるキャバクラ）でアルバイトをして結構稼いだとのこと。
笑顔を作るのが上手く愛想が良かったので尚更だろう。
今は未婚で婚歴はなし。昨年までは彼氏がいたようだけど、相手の浮気がバレて別れたようだ。
そして現在の職業はFP（ファイナンシャルプランナー）。資産形成などいわゆるお金に関するアドバイスを行う人。
母子家庭ということで正直裕福ではなかった彼女は、お金に関してかなり執着があった。
そう考えると、マナミがFPになったというのは必然というか普通に納得ができる。
聞くところによると少し前まで外資系の保険会社にいたとのことだが、現在はフリーでやっていて顧客もそこそこいるので仕事として生計が成り立っているそう。
と、そんな彼女が昨日私の家にきた。
ちなみに姑に女友達が遊びにくることを話したところ、意外とあっさり招くのを許してくれた。
もしかして、こないだの娘の財布の一見で少しは反省したのだろうか。
まあそんな「タマ」ではないので反省はしてないだろうけど、とりあえず揉めずに済んだのは幸いだった。
でも、しっかりとこんな嫌味も言われた。
「あなたのお友達っていうくらいだから、気が利かなさそうね。まあいいわ」
ほんと口の減らない人だ。たまには黙ってられないのだろうか。
そしてマナミが来た。
どうせ義母は不愛想な対応で挨拶もしないだろうと思っていたところ、なんと姑が笑顔で彼女を迎えたのだ。
マナミが義母のところに向かい挨拶をすると、
「いらっしゃい、初めまして。マナミさんの夫〇〇の母です。よろしくね」
これはさすがに意外すぎて驚いた！
っていうか、あんな嫌味を言っておいてこの真逆の対応ってどれだけ良い人ぶるの。
マナミには嫁の嫌味や嫌がらせのことは事前に言ってなかった。
なので彼女も大人な挨拶をする。
「こちらこそ突然お邪魔して申し訳ありません。お義母さまにお会いできて光栄です」
この応対が気に入ったのか、姑はとても気分よさげに「いいのよ、ゆっくりしていって頂戴」とご機嫌な様子だった。
でもさすがはマナミ。FPという職業柄か、他人とのコミュニケーションを円滑にとる対人スキルがすごいと改めて思った。
キャバクラでも人気があったのも頷ける。ほんと私とは正反対だ。
そしてそんな光景を見た私は、あらためて私が姑に嫌われていることを悟った。
とにかく、マナミが第一印象で姑に気に入られたことは確か。
その後も義母と長い間色々と話しており、マナミもマナミで姑が話をするのをずっと聞いてあげたりしていた。
気が付けば私と話すより長く会話をしていただろう。
そんな風に感じていたところ、突然姑からこんな嫌味がさく裂した！
「マナミさん、あなた本当にいい人ね。ハナエさんと違って人の話をよく聞いてくれるし頭もいいし、あなたに息子の奥さんになってもらいたかったわ～！」
よりによって息子の嫁の目の前でそんなことを言う？
しかも何でデヴィ夫人みたいな口調？どこをどうとっても似ていないのに…。
ほんと侮辱…。これにはさすがに呆れた。デリカシーのかけらもない！
けど同時に少し心の中で笑ってしまった。嫌味になれすぎてしまた私も少しおかしいのかもしれない。
まあ、でも友人が義母に嫌われるよりはマシかな。
マナミには例の店長の話もたかったけど、姑も混ぜて話をしていたので結局その話はできなかった。それは次回は話そう。
なんだか終始ご近所の井戸端会議といった感じだった。
そしてマナミの帰り際に姑はこんなことを言い放ち、さらに私をムカつかせた。
「マナミさん、またいつでもいらしてね。あなたと話していると私も楽しいし、何より日頃のイライラを忘れられて本当に嬉しいわ」
あぁ、イライラの対象は私ですよね。忘れられて本当にうれしくて良かったですね！おかげで私がイライラしましたよ。
「何で友達と会って嫌な気分にならないといけないのだろう？」と思った１日でした。
かなり疲れた…。
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